28 大鳥おおとり大社たいしゃ

 はまでら公園駅こうえんえきの南に、おおとり街道かいどうが通っています。この街道をまっすぐ東の方に歩いていくと、大きな鳥居とりいに出会います。ここが、大鳥大社です。

 この神社は、大むかしこの地方に住んでいた大鳥連おおとりのむらじという豪族ごうぞく祖先そせんである大鳥連じんと、日本武尊やまとたけるのみこととをおまつりしています。日本武尊が九州のぞく熊襲くまそをたおしておさめ、さらに関東かんとうの賊をたおした後、伊勢いせののぼのという地で病気びょうきでなくなります。その場所でほうむられますが、そのおはかから日本武尊のたましいが白鳥はくちょうとなってとんでいき、現在の奈良ならにおり、最後さいごいおりたのがこの大鳥の地だったので、ここにやしろてておまつりをしたのが、大鳥大社のはじまりです。

 白鳥が舞いおりたときに、一夜にしてたくさんの木々がいしげって森ができたので、この大鳥大社の森は「千種ちぐさの森」とよばれています。その名の通り、古い大きな木やめずらしい木もあり、市民にとっても楽しませてくれています。中でも、6月ごろには、いろいろなハナショウブがきほこり、堺の花にもえらばれています。

大鳥大社本殿

 ここのほん殿でんの建て方は、とても古くて「大鳥造り」とよばれています。高いゆかに太い柱が建ち、内部を二間に区切っています。中央には階段かいだんと出入り口がついています。わが国の神社の中でも、伊勢いせ神宮じんぐう出雲いずも大社たいしゃにつぐ古い建て方で、出雲大社と住吉すみよし大社たいしゃの間にこの大鳥大社の建て方がくるようです。現在のほん殿でんは、明治めいじ42(1909)年に建てられたものです。

 4月13日に行われる「花摘はなつみまつり」は、花の季節きせつに色をそえる行事ぎょうじの一つで、へい安時代あんじだい(794~1192年)に病気びょうきにならないようにねがって始まったおまつりが、現在の花摘祭りに引きつがれているようです。

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