浜寺公園駅の南に、鳳街道が通っています。この街道をまっすぐ東の方に歩いていくと、大きな鳥居に出会います。ここが、大鳥大社です。
この神社は、大むかしこの地方に住んでいた大鳥連という豪族の祖先である大鳥連祖神と、日本武尊とをおまつりしています。日本武尊が九州の賊の熊襲をたおしておさめ、さらに関東の賊をたおした後、伊勢ののぼのという地で病気でなくなります。その場所でほうむられますが、そのお墓から日本武尊のたましいが白鳥となってとんでいき、現在の奈良におり、最後に舞いおりたのがこの大鳥の地だったので、ここに社を建てておまつりをしたのが、大鳥大社のはじまりです。
白鳥が舞いおりたときに、一夜にしてたくさんの木々が生いしげって森ができたので、この大鳥大社の森は「千種の森」とよばれています。その名の通り、古い大きな木やめずらしい木もあり、市民にとっても楽しませてくれています。中でも、6月ごろには、いろいろなハナショウブが咲きほこり、堺の花にも選ばれています。
ここの本殿の建て方は、とても古くて「大鳥造り」とよばれています。高い床に太い柱が建ち、内部を二間に区切っています。中央には階段と出入り口がついています。わが国の神社の中でも、伊勢神宮、出雲大社につぐ古い建て方で、出雲大社と住吉大社の間にこの大鳥大社の建て方がくるようです。現在の本殿は、明治42(1909)年に建てられたものです。
4月13日に行われる「花摘祭り」は、花の季節に色をそえる行事の一つで、平安時代(794~1192年)に病気にならないように願って始まったおまつりが、現在の花摘祭りに引きつがれているようです。