前回と同じ大浜公園です。今回は、日本一のものをしょうかいしましょう。日本一といっても日本一低いのです。 大浜公園内にある「そてつ山」です。
この山は、わが国の正式な地図にもきっちりとのっています。国土地理院が作った二万五千分の一の地図に表されており、この山のちょう上には「一等三角点」がおかれているからです。三角点というのは、わが国のある地域の高さや位置がどれだけかを測るもとになる点です。地図を作るためにはなくてはならない点です。一等三角点は、三角点のなかでも一番もとになる点なので大事なのです。それがこのそてつ山におかれているのです。
では、このそてつ山の高さはどれだけなのでしょうか。高さはわずか6.96メートルなのです。大浜公園ができたときに、大阪湾をながめるためにつくられたようです。山の上にはその名前の通り「そてつ」が植えられており、登山口も二か所つくられています。ちょっと山に行ってきましたと、このそてつ山にのぼってみるのもいいですね。山の上からは、むかしのようにはいきませんが、いくらかながめはちがうでしょう。
また、この山のすそ近くには一つの石碑が立っています。むずかしい字で「擁護璽」と書かれています。この石碑には、安政元(1854)年6月14日にはげしい地震があったことや、11月4日、5日とつづいて東海地震や南海地震がおこり、大きな津波がきて多くの船が流されたり橋が8っつもくずれたりしたこと、家がたくさんつぶれたけれど人々は神社などにひなんをして死んだ人はいなかったこと、そして、強い地震のときには船で川にひなんしてはならないことなどが書れています。
堺でも、地震のときにのちを守るためにどうすればいいのかをむかしの人はこのように石碑に残してれているのです。