泉ヶ丘駅前からバスに乗り、「鉢ヶ峰」バス停でおりると、そこには鉢ヶ峰公園墓地が広がっています。そのバス停の前の階段の上に慰霊塔が建っています。その階段を最後まで上り、慰霊塔から右側に少し行くと、写真上のこんもりした丸い山に出会います。円墳のようにも見えます。ここが、「襲の峰」です。
垂仁天皇8年に、天岩戸の話で有名な天照大神が、鳳凰という架空の鳥になって峰に降りました。この時に降りた峰が、この「襲の峰」です。
垂仁天皇の息子の景行天皇の24年に、神のおつげによって武内宿禰に命じて、この地に社を建てたと言われています。これが国神社です。景行天皇の55年に、この神が千種の杜に移り、大鳥大社になったともいわれています。
明治40年頃に明治政府から出された合祀令(町や村に神社を一社にするように)によって、国神社は明治43年(1910)に桜井神社に合祀されました。それにともなって、鎌倉時代(1192~1333)の初め頃の神像三体や、応永19年(1412)に奉納された石灯籠なども、桜井神社に移されています。現在、桜井神社に奉納されている「こおどり」も、元はこの国神社に奉納されていたものです。現在は、襲の峰のそばに国神社の小さな祠が建てられています。
ところで、天照大神が、この地に降り立った郷なので、この地を「上神郷」といい、それが「上神谷」と言う地名のもとになったとされています。