第2回 新刊算法起を読む:1
まず我々が読んだのは、新刊算法起の序文です。読み下し文で読んでみましょうか。
意味の詳細は割愛しますが、前半は算術がどのようにして起こったかを中国の易法に起源をおいた決まり文句で書き、後半では、和算家の吉田光由著の「塵劫記」の存在を前提に、これが世間で使われるにはよく理解できていない人たちのためにも、多くの具体例を集めた旨が書かれています。この後半の部分が、「新刊算法起」としてまとめ出版した田原嘉明の思いなのでしょう。
では、次にその上巻の目次を提示します。

とあり、第十一からは、その具体例を挙げて記していることが分かります。その中から、堺ということで、第十の「行基菩薩の御検地の起」から、第十四の「知行算」までを 読み解きました。
なお、その読み解く部分を、原文の活字と読み下し文及び、それの現代語訳で表示し、その後にその問題の解法を記しておきます。原書そのものに触れたい場合は、この回の最後の資料ページを参照下さい。
この「第十」を読むと、和算の問題というよりも、遠い昔(白鳳時代)に、知恵の文珠として民から慕われていた僧行基が和算の元になるべく検地をすでに行っており、その知恵を商売に活用することが大事だと述べています。実際に行基がここまでされていたか否かは分かりませんが、各地で池を造ったり、橋を掛けたり、道を造ったりと、当時の民衆の生活をよくするための活動をされていたことを、この時代(承応元年・1652)においても行基の活動として知られていたことが分かります。
では、ここから、和算の具体例を挙げてまいります。
第十一 検地口傳之法
はじめの問題として「第十一 検地口伝(くでん)之法」を掲示しました。まずは自力で解いてみてください。
読むヒントとしては、原文1行目にある「二十七間二尺超八分」の「超」の意味。下の現代語訳を読めばお分かりでしょうが、「0」つまり、その位が無いことを表しています。
今1つ、2行目「六五」と数字がならんでいるだけのときは、原則「0.65」と小数点以下の数字のことが多いです。また、この「0.65」とは何でしょう。元の間を尺に換算するためにこの数をかけるのです。後の(注2-1)を参照ください。
さて、では問題文と解き方を、現代語訳を参考にして解読してください。私の読み取りは、次回に掲載いたします。
なお、単位の換算を脚注として、最後の資料ページに掲載しておきます。必要な方はご参照ください。
注2-1:長さの単位の換算
尺 ⇒ 間 ・・・・0.65を掛ける
5尺×0.65=3.25間
間 ⇒ 尺 ・・・・0.65で割る
5間÷0.65=7.6923・・・
≒7.69尺
注2-2:長さ・面積・体積・重さの換算
長さ
町:1町=60間(約108m)
間:1間=6尺5寸(約1.8m)後に6尺に
尺:1尺=10寸(約30.3cm)
寸:1寸=10分(約3cm)
分:1分=10厘(約3mm)
厘:1厘=10毛(約0.3mm)
毛:1毛=10糸
面積
町歩:1町歩=10反歩(約99.2アール =9920m2)
反 :1反 =10畝(約992m2) =300坪
畝 :1畝 =30歩=30坪(約99.2m2)
歩 :1間四方=1坪(約3.3m2)
坪 :1間四方=1歩(約3.3m2)
体積
石:1石=10斗(約180ℓ)
斗:1斗=10升(約18ℓ)
升:1升=10合(約180cc)
合:1合=10勺(約18cc)
勺:1勺=10抄(約1.8cc)
重さ
貫 :1貫=1000匁(約3.75kg)
匁 :1匁=10厘(約3.75g)
厘 :1厘=10毛(約0.375g)
毛 :1毛=10糸 原書文
原書文






