田原 嘉明 6

第6回 新刊算法起を読む:5

 

解説と解法

 まず書かれているのは、横50間(上の図では縦になったCDです)と切口(下の赤線のCH)の長さをかければ、面積の1500坪(間)になるということです。上下の赤斜線部を合わせた面積(⊿DGIと⊿CHJ)と縦の青斜線部の面積(□EFHG)とが、同じになる場合です。

 次に、P.37の図で、Aから底辺CDへの垂線AK(オレンジ)、Bから同様に垂線Lを引きます。すると、KLは30間なので、DKとCLを合わせた長さは、
   50間-30間=20間 です。

 この図の横の長さが100間なので、
   100間÷20間=5

 つまり、図の上下にある横の斜線(EDとHC)の傾きは、Dから100左方向に行くと20下がることから、横5に対して縦1の割合で下がっていることが分かります(横:縦=1:0.2)。間になおすと、横1間左に行けば、縦2分下がることになります。

 ここまでが、P.36の上の段①のことにあたります。

 さて下の段です。切口の長さは、長方形の面積の式から、
   1500間÷50間=30間
となり、(1間につき2分下がるので)これに2分を掛けると(正確には割合としての0.2をかける)。
   30間×0.2=6間
この6間の差は、上下2か所の分なので、2で割り3間に。切口の長さの30間に掛けると、
   3×30=90間=90坪
これが青の斜線部の面積になります。赤の斜線部を含めた長方形の面積からみると、いわゆる不足分にあたります。

 ここまでが、P.36②の段落部になります。

 次です。
 横50間(図の縦)の内の、6間短くなっている(GIとHJで)ので、
   30間-6間=44間

 これが、右の土地の左縦の長さになります。不足分の面積が90坪だったので、これを44間で割ると青斜線部の台形の垂線の長さ(高さ)が出ます。
   90÷44=2.045454・・・
        ≒2.0455間
これに2分つまり0.2を掛けると
   2.0455×0.2=0.4091間
           (=4分9毛1糸)
青斜線部の台形の、「下底の長さ-上底の長さ」が出ます。そして、これを2で割ると、「下底-上底」の差の一方の長さが出ます。
   0.4,091÷2=0.20455
これに青斜線の台形の垂線の長さを掛けると
   0.20455×2.0455=0.418407・・
                ≒0.4184
                =4分1厘8毛4糸
これが、不足坪です。

 ここまでが、P.36③の段落部になります。

 では、その次にいきましょう。
   44-0.4091=43.5909間
これで青斜線部の上底EFの長さが出ました。これは、中央の台形部の下底EFの長さにあたります。
   0.4184÷43.5909
         =0.009598333
         ≒0.0096   
         =9毛6糸
   30間+2.045+0.0096=32.0546
                   ≒32.055
                   =32間5厘5毛
これが、1500坪の台形の高さになります。これに狭まった割合の0.2を掛けます。
   32.055×0.2=6.411
            =6間4分1厘1毛
つまり、これが、台形EFCDの、上底EFが下底CDよりも短くなった長さです。ここまでが、④の段落部にあたります。

 では⑤です。
元の台形の底辺は50間ですので、上底はここから短くなった6間4分1厘1毛を引きます。
   50-6.411=43.589
           =43間5分8厘9毛
これが1500坪の台形の上底EFの長さです。これで⑤が終了です。

 最後⑥です。
同じようにして、次の切る線KLの長さを求めればいいのです。丸木や石垣を切る場合でも同じです。

【別解】

 

 1間につき0.2間の下り、つまりGDの長さに対するGIの長さの割合xを求める。
   100:20=1:x
     100x=20
        x=0.2
横50間の面積1500間の長方形GHCDを考える。
この長方形の縦GDの長さをxとする。
   50×x=1500
      x=30(間)
下りGIとJH)は6間であることを確認する。
   30×0.2=6
不足坪(赤の斜線部分の面積)は、
   (6÷2)×30=90
これは、四角形EFJIの面積と同じです。
ABの長さは、50-6=44(間)
ここまでが②までに当たります。

 次は③です。よこ44間、面積90間の長方形(赤枠)を考えます。
   44×x=90
      x=90÷44
       =2.0455
       =2間超455(原文)

下りの確認
   2.044×0.2=0.4091
            =4分超91(原文)
不足坪
   (0.4091÷2)×2.0455
       =0.4184(間
これは、四角形EFNMの面積と同じです。

 

 

 


 次は④です。
MNの辺の長さを求めます。
    44-0.4091=43.5909(間)
次に、よこ43.5909間、面積0.4184間の長方形(赤枠)を考えます。
   43.5909×x=0.41091
    x=0.4184÷43.5909
     =0.00959
     ≒0.0096(間)

下りの確認
   0.0096×0.2=0.00192
不足坪
   (0.00192÷2)×0.0096
           =0.000009216
これは、四角形EFPOの面積と同じです。
いよいよ、最後の計算⑤です。
   43.5909-0.000009216
          =43.599089(
これがOPの長さとなり、長男と次男との土地を分ける、いわゆる分割線となります。

 なお、ABの30間と③の下り2.0455間と④の下り0.0096とを加え、それに下りの割合である0.2をかけます。
   (30+2.0455+0.0096)÷2
         =32.0551×0.2
         =6.41102
         ≒6.411
これは、下りの長さです。
もとのよこの長さ50間からこの下り分を引きます。
   50-6.411=43.589(
となり、これが求める長男と次男との土地を分ける、いわゆる分割線です。
ともに、計算ででた分割線の長さですが、アの方は誤差が出ています。田原氏の計算では、
43.589となっていますが、アでは、まだわずかな未計算の部分があるからです。

 上の問題「池ノ水積」が今回の宿題です。これは案外分かりやすいと思います。

 なお、原文「はゝ坪注6-1」現代語訳「幅坪注6-1」及び、原文・現代語訳の「水坪注6-2」については、以下の「注」の通りです。

 

注6-1はば(幅)坪
 池の表面積

注6-2水坪
 水の体積

原書文